各国から相次ぐ香港への批判、周庭さんらの禁錮

民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さん 海外のニュース

香港の裁判所は今月2日、昨年6月のデモをめぐってデモ扇動罪などに問われていた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さんらに禁錮の実刑判決を言い渡しました。それを受け国際社会では香港への批判が相次いでいます。

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民主活動家の周庭氏らに実刑判決

香港の西九竜裁判所は2日、民主活動家の周庭さんに禁錮10月、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんに禁錮13月半、林朗彦(アイバン・ラム)さんに禁錮7月の量刑をそれぞれ言い渡しました。いずれも執行猶予はつかず、3人は再び収監されることに。

法廷で量刑を聞いた周さんはその場で号泣。弁護士は上訴に伴う保釈を裁判所に申請しましたが、その場で退けられました。

香港では通常、よっぽどの重罪でない限り初犯であったり罪を認めていたりする場合、執行猶予付きの判決や社会奉仕といった形で罰が科されることも多くあります。しかし、今回はそれが適用されませんでした。国家安全維持法の施行によって香港民主派への圧力は急速に強まっており、黄さんや周さんの国際的な知名度や影響力の大きさも考慮され、通常より重い判決とされた可能性もあります。

相次ぐ批判

今回の判決を受け、国際社会では批判が相次いでいます。

アメリカ連邦議会のペロシ下院議長は声明で、「この判決は中国が意見を抑圧し、香港の人々に保障されている自由を破壊するためには手段を選ばないという明確な証拠だ」と指摘。さらに、「中国の冷酷な判決はひどいものだ」と非難しました。また、「不当な判決と香港の人々に対する中国の攻撃を非難するよう世界中の人々に呼びかける」と訴えています。

台湾の蔡英文総統も、フェイスブックで「香港の人々の民主的な要求を抑制したことはとても遺憾だ」と表明し、「台湾は香港の人々を支援し続ける」とコメントを発表しています。

香港の中国化

民主化要求デモの雨傘運動は、中国共産党政権の主権が及ぶ地域では「天安門事件」(1989年)以降で最大級の民主化要求デモとして世界からも注目されていました。そして、そのリーダーであった周さんや黄さんが実刑判決を受けることに。

周さんは、民主化の女神ともいわれている人物で、ツイッターやユーチューブでも活動しています。日本語も堪能で、来日経験もあるため日本でも注目されていました。その周さんにかけられた容疑は「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた罪」であり、最高で無期懲役もありうる重罪でした。

そもそも、彼所らがデモを行っていたのは、香港政府に「逃亡犯条例改正案の完全撤回」「普通選挙の実現」などを要求するためでした。香港は、「一国二制度」という制度が導入されており、特別行政府として独立が認められてきた場所であったはずですが、そこに中国政府の力が強く働く法律ができることに若者は反対していたのです。

しかし、結果としては実刑が下され、香港で民主化運動を行うことは事実上不可能となってしまいました。香港の中国化がより加速しているようです。

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